2月4日(火)
福岡市環境局環境調整課さまと連携して
「生物多様性ふくおかシンポジウム」を西鉄イン福岡 2階大ホールで開催しました。
雪のなかではありましたが、参加人数は128名と当初の予定より
多くの方々にご参加いただくことができました。
行政、企業、市民団体など多様な立場の方々が集まり、
生物多様性の保全に向けた取組みについて事例発表を伺ったり
ネイチャーポジティブ実現のために多種多様な情報交換を行うことができました。
まず初めに、基調講演としてご登壇いただきましたのが
九州大学 芸術工学研究員環境設計部門 准教授
早渕 百合子 先生
国連機構変動枠組条約の専門審査官として
京都議定書やパリ協定に基づく温室効果ガスの評価や国際交渉にも従事されていらっしゃいます。
「世界の動向から見るネイチャーポジティブ経営」と題して
世界的な視点からネイチャーポジティブ経営についてお話しいただきました。
続いて、3つの市民団体の活動事例発表が行われました。
NPO法人博多ミツバチプロジェクト
吉田 倫子 様
「都市における生物多様性保全の可能性」として
都市部でのミツバチの生息環境改善と、その役割を活かした生態系維持の促進、
ミツバチを通じた緑化活動や、都市農業への貢献市民参加型の環境教育プログラムを実施し、
子どもたちや地域住民の意識向上を図る活動を行われています。
NPO法人ふくおか湿地保全研究会
服部 卓朗 様
湿地の生態系を守るための調査・モニタリング活動や
絶滅危惧種の保全と湿地環境の維持管理を推進し
企業や行政と連携しながら地域ぐるみでの保全活動を展開されています。
特定非営利活動法人グリーンシティ福岡
志賀 壮史 様
都市部の緑化推進と生物多様性を高めるためのプロジェクトを
展開していらっしゃいます。
屋上緑化や街路樹の維持管理を通じた都市の環境改善、市民参加型のイベントを開催し、
地域ぐるみでの環境保全を推進されています。
続いて、企業が取り組むネイチャーポジティブの事例として
3つの企業から発表がありました。
株式会社 福岡放送
山田 真由美 様
環境問題をテーマにした特集番組を制作していらっしゃるほか、
視聴者に生物多様性の重要性を啓発、企業や市民団体との協力によるイベント開催や、
情報発信を強化していくことに取り組まれています。
アルサグループ
毛利 明光 様
環境負荷の低減を目的としたエコフレンドリーな事業運営を展開省エネ対策や、
廃棄物削減に向けたサステナブルな取り組みを推進環境に配慮した製品を開発・提供されています。
株式会社博多大丸
箱崎 純史 様
持続可能な商業活動を目指し、店舗内でのエネルギー効率向上施策を導入されているほか、
環境に配慮した商品の取り扱いを拡大し、エシカル消費を促進されています。
また、地域の環境保全活動に積極的に参加し、CSR活動の一環として生物多様性保全を支援されています。
事例紹介後は生物多様性の未来のためにできること、
事例発表の内容の深堀りするためにディスカッションを行いました。
そのファシリテーターを務めたのは
ふくおかFUNの代表理事 大神 弘太朗
会場から寄せられた質問に対して、登壇者のみなさんにそれぞれの視点で
率直にお答えいただきました。
経済活動と自然の関係の側面から、ネイチャーポジティブの実現に向けて活動する際に、
人の利便性を守りながら両立するのは難しいのではないかという趣旨の質問がなされ
グリーンシティ福岡の志賀さんから
「生物多様性という言葉自体がひとつのワードにまとめるのは難しい」
「単一の活動やワードで伝えるというのは嘘になってしまう側面もある」
という、当事者の苦悩についても語られました。
また、学生団体を立ち上げた大学生の方からの質問として
「学生の期間しか活動できないこと、卒業した後も継続していくのが難しいと感じている」
との声がありました。
それに対し、博多ミツバチプロジェクトの吉田さんから、
「継続しなければいけないというような意思も大事だけど、活動を継続するには楽しみながらやることが大切」
「自らがやりたいと思えたり楽しめたりするような気持ちを持って関わり続けて欲しいと思って活動している」
というお答えがありました。
活動を始めること、続けていくためのヒントになるような言葉がたくさん聞かれ、
その後の情報交流会では登壇者の周りには多くの方々が集まっていらっしゃいました。
多くの方が生物多様性や未来のために考える姿を見て
ふくおかシンポジウムの重要性を改めて感じました。
今回のシンポジウムは、企業と環境団体が協力して
持続可能な未来に向けて行動を起こす第一歩となりました。
生物多様性の保全は、企業のCSR活動にとどまらず、地域社会や経済にも良い影響となります。
ふくおかFUNは、今後も多くの企業や市民の皆さまとともに
「自然と人のつなぎ役」として、これからも活動を続けてまいります。
生物多様性保全に興味がある企業の皆様や市民の皆さまは、ぜひ私たちの活動にご参加ください。
ともに未来のための第一歩を踏み出しましょう!
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